ロックドイン症候群に陥ったマーティン・ピストリウスが語る真のコミュニケーションの意味が深い!


南アフリカに暮らしていたマーティン・ピストリウスさんが「アンビリバボー」で取り上げられます。

彼は、12歳の時、突然の病に襲われました。

1年後には意識がなくなりますが、家族の懸命なサポートもあり、やがて彼は意識を取り戻します。

しかし、マーティンさんは「ロックドイン症候群」という状態に陥ってしまいます。

彼にとって地獄のようなこの状態。いったい、「ロックドイン症候群」とは何なのでしょう。

そして、マーティンがこの体験から得たこととは?

私たちが忘れがちだったことを、マーティンさんが思い出させてくれる気がします。

 

マーティン・ピストリウス 悲劇の始まり

マーティン・ピストリウスさんは、1975年、南アフリカのヨハネスバーグに生まれました。

幸せに暮らしていたマーティンさんでしたが、1988年1月、彼が12歳の時に突然の病に襲われます。

喉の痛みから声が出なくなり、食べ物も食べられないほどになってしまったのです。

そして、体の自由が次第に聞かなくなり、終いには目で合図することすらできない状態になり、話すこともできなくなりました。

マーティンさんがその時、最後に発した言葉は「When? Home?」だったそう。

日に日に体が不自由になっていく少年は、一刻も早く病院を出て、安らげる自宅に戻りたかったのでしょう。

結局、脳の感染症ということはわかったものの、きちんとした病名は医師たちも突き止められないまま、マーティンさんは意識を確認するためのどのテストにも反応しなくなりました。

そして、家族は自宅で余生を静かに過ごさせてあげるよう告げられたのです。

しかし、それから2年。マーティンさんの意識が戻ります。

まさに奇跡としか言いようがありませんが、実のところ、意識は戻っても手足は自由にならず、声も発することができず、動かすことができたのは眼球とまぶただけでした。

四肢はマヒしているのに、脳は正常に働いている状態になってしまったのです。

つまりこれが「ロックドイン症候群」

意識が戻っているというのに、周囲の誰もそのことに気付いてくれない。

こんな悲しい状態がマーティンさんにしばらく続いたのです。

 

ロックドイン症候群とは?

マーティンさんが陥った「ロックドイン症候群」とは、どんな状態なのでしょうか。

これは、閉じ込め症候群とも呼ばれ、目は開いて外界のことをしっかり認知できる状態にもかかわらず、四肢がマヒしているため、コミュニケーションなどが取りにくい状態。

これと似た状態が「植物状態」ですが、これは覚醒しているけれども、意識はないのだと言います。

また「昏睡」も素人目には似たようなものに思えますが、これは覚醒もしていなくて、意識もない状態のこと。

ちなみに、ロックドイン症候群は、以前は行きつく先は死のみと言われていたようですが、現在はその常識は覆されています。

マーティンさんは2年ほどで意識を取り戻し、19歳になる頃には、ほぼ完全に意識がはっきりとしていたそうです。

しかし、相変わらず周囲の誰もが、マーティンさんが意識が戻っていることに気づいてくれない。

そんな時、また奇跡が起きました。

 

明るい光から現在へ

マーティンさんはケアホームで介護を受けていました。

そこを週一度訪れていたアロマセラピストの女性が、マーティンさんに意識が戻っていることに気づいてくれたのです。

彼女はすぐに大学の専門家の元で検査を受けるよう提案し、検査の結果、マーティンさんの意識が戻っていることが判明します。

そして、両親はコミュニケーションの手段として、マーティンさんに「スピーチコンピュータ」を与え、マーティンさんは1年もしないうちにコミュニケーションのためのソフトを使いこなせるようになりました。

それからマーティンさんはケアホームに行くことをやめ、コピーを取る仕事につきます。

次第に自信をつけたマーティンさんは、コンピュータの仕事をするようになり、念願だった愛犬も飼い、そして人生を共にするパートナーのジョアンナさんにも出会いました。

ジョアンナさんに合わせイギリスに移住した二人は、2009年に結婚。

今では、二人の仲睦まじい様子をマーティンさんのFacebookで見ることができます。

現在は、ウェブの開発やデザインを手掛ける事業者であり、その経験をもとに「ゴーストボーイ」という本も出版されています。

 

真のコミュニケーションの大切さ

ケアホームでは、孤独な死を願う毎日だったというマーティンさん。

彼はその頃の自分を振り返り、ただ観察する者ではなく、完全なる犠牲者だったと語っています。

感情なんてないと思われていたので、肉体的にも言葉でも「虐待」と呼べる行為が行われていたようです。

周りの人たちの悪い面ばかりがあらわになり、虐待の恐怖におびえる毎日。

両親に救いを求めたくても、自分が意識があることに気づいてくれない中で、マーティンさんは母親からこんな言葉を言われます。

「You should die. (お前なんか死んでしまえばいいのに)」

もちろん、マーティンさんはかなりのショックを受けました。

しかし、考えれば考えるほど母親への憐みの感情と愛が募ってきたと言います。

人とコミュニケーションをとることができない中で、その重要性を日々実感していたマーティンさんは、母親の気持ちも痛いほど察することができるようになっていたのでしょうね。

結果オーライではありませんが、苦しい13年間の生活があって、実際にパートナーであるジョアンナさんに出会い、自分に愛される価値があるということを知ったマーティンさん。

彼は

「真のコミュニケーションとは、耳を傾けてもらい、敬意が払われるようなものであるべき」

と言います。

このことを人間みんなが理解できたら、世界は平和になれるような気がします。

私たちが日々使う「言葉」。大切にしていきたいですね。

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