東慎一郎でも西岡真でもない現在の元少年Aをあぶり出すため、幻冬舎・見城徹社長はあえて「絶歌」を手放したのか?
元少年Aが執筆した手記「絶歌」の発売から1週間が過ぎました。
賛否両論というより、やはり「否」を唱える人たちの声が多く聞こえてきますが、方々でさまざまな動きが起こっているようです。
「さかきばらせいと」の今の名前が東慎一郎なのか、はたまた西岡真なのか推察するネット民たち。
嫌悪感を示す多くの芸能人。
事件が起こった兵庫県では、県立図書館に「絶歌」を置くものの貸し出しは行わないという方針を決めたそうです。
そんな中、やはり多くの人たちの好奇心を駆り立て、書店の売上は軒並み1位。5万部の増刷も決定したんだとか。
そんな「絶歌」をめぐる動きの中、大手出版社である幻冬舎の見城徹社長が週刊文春のインタビューに答え、「絶歌」誕生の秘話を明かしました。
元少年Aが惚れ込んだのは幻冬舎・見城徹社長だった!
今回、「絶歌」が発売され、一躍話題の出版社となってしまった太田出版。
てっきり何らかの元少年Aへのアプローチが太田出版からあり、今回の出版につながったものと思っていましたが、事実は違っていました。
時は、2012年の冬。
元少年Aが出版をしてほしいと手記を持ちこんだ相手は、幻冬舎・見城徹社長だったというのです。
見城徹社長とはどんな人物?
見城社長は、あの角川書店で辣腕編集者だった人物。角川春樹氏の一連の事件を機に退社し、幻冬舎を立ち上げたことで有名です。
角川時代に見城社長が手掛けた本「遠い海から来たCOO」「トパーズ」、そして幻冬舎以後の「永遠の仔」「天国への階段」「名もなき毒」など、筆者も夢中になって読んだ本ばかり。その編集者としての実力は誰もが認めるところでしょう。
そんな見城社長は、自身の哲学を持った人物。親交のある藤田晋氏があのホリエモンと開発したトークアプリ755で、一般人相手にビシビシと持論を繰り広げる姿に、多くの人たちが影響を受けています。
そして、「元少年A」もテレビで見城社長を見、憧れた一人だったのです。
元少年Aとの初めての対面で、Aの人間的な感情のなさに不安な気持ちになったという見城社長。か細い声で話し、体格も華奢で、多くの人の中に入れば全く目立たないであろうAは、自分の手記を出版したいとうことには特に固執していたとか。
「絶歌」が発売され、多くの人たちがその文章に反省の意を感じることができなかったように、見城社長もあまりの贖罪の意識のなさに
「君が今生きたいと思っているのと同じように、被害者の方々も思っていたはずだ。
君は、生きようとする二つの命を奪ったことを深く反省しなくちゃダメだ」
と、何度も伝えたとか。
そして、以下の3つのことが本として出版するのにクリアーしていくべき点だと感じたそうです。
1つは、Aが本当に贖罪の意識を持つこと。
2つは、実名で本を書くこと。
3つは、遺族に事前に挨拶に行って筋を通すこと。
驚くべきことに、今回の「絶歌」の発売で、このどれもがクリアーされないまま世に出てしまいました。
見城社長の行動は是か非か?
結果的に、旧知にある太田出版を紹介し(他にも出版社を紹介していますが、Aが選んだのが太田出版でした)、あれよあれよと発売まで進んでしまった今回の流れ。
筆者は、「編集者」としての見城社長が数か月に渡ってAの手記を見ていく中で、「否」という判断をくだしていなからも、どうして最後の最後にそれを放り出してしまったのか、不思議でなりませんでした。
見城徹ほどの人物なら、もっと違う道にAを導けたのではないか。
そして、1つの仮説に思い当りました。
もしや、このような事態になり、元少年Aが白日のもとに晒されることを予測していたのではないでしょうか。
東慎一郎か?西岡真か? 本名が明かされるのは時間の問題?
今回、元少年Aが固執していた点は2つあるようです。
1つは、手記を出版したいということ。
そしてもう1つは、決して今の身元を知られたくないということでした。
しかし、あまりにルール破りの出版となり、遺族側が訴訟を起こせば、自然とAの身元も知れる所となるかもしれないそうです。
14歳という年を考慮され、法の下に幾重にも手厚く守られてきた元少年A。
すでに30歳を超え、本来なら生かされていることだけに感謝し、贖罪の日々をおくるべき人物が、この期におよんで「自分」を認めてもらおうとしたこの行動が、自分を崖っぷちに追い込んでしまったことになりました。
このことを見城社長が見据えていたのではないか。
あくまでも筆者の憶測ではありますが、見城徹という尊敬すべき編集者の鋭い瞳の奥に、そんな読みがあったような気がしてなりません。
現在の素性を焙り/暴き出す必要があると思います。
買いかぶりすぎでは…。
話題になると踏んで近づいたものの、これは批判を買う内容にしかならないとドン引きし、太田出版を紹介してしまっただけだろう。
人間できてるなら、最初から出版もちかけないし、他の出版社も紹介しない。遺族を傷つけない方向で考える。本名をあかしたきゃ遺族に訴訟起こすような手間をかけさせず、自分でやる。